精神保健福祉法では、入院患者やその家族等は、精神医療審査会に退院請求や処遇改善請求ができることになっていますが、実際には認められることは稀です。2021年に公益社団法人日本精神保健福祉士会が全国の都道府県・政令指定都市の精神保健福祉センター(精神医療審査会事務局)に精神医療審査会に関するアンケート調査(回収率92.5%)を行い、2022年にその結果を公表しています。
(石原孝二)
このアンケート結果にもとづくと、
・退院請求により退院請求が認められる割合:約1.30%(3,072件中40件)
※「他形態が適切」が約3.84%(118件)
・処遇改善により処遇請求が認められる割合:約4.77%(734件中35件)
・医療保護入院届の審査により退院が認められる割合:約0.008%(177,525件のうち14件)
・医療保護入院定期病状報告書の審査により退院が認められる割合:約0.001%(76,974件のうち1件)
となります。
このアンケート結果によって、精神医療審査会に対する退院請求が認められることは稀であることが裏付けられています。
関連法規
- 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)
- 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第一二条に規定する精神医療審査会について
他の資料など
牧山ひろえ 精神医療審査会の現状と課題に関する質問主意書(2017年第193回国会・参議院)